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鉛筆黒鉛の故郷-Around Borrowdale / Cumberland Pencil Company

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イギリスのカンブリア州ボローデル(BORROWDALE)の山並みに沿うように延びるB5289道に位置するシートラー(SEATOLLER)から、山の谷方向へ南西に延びる脇道に入ると、川沿いに道が続き、建物は点々とある程度で、しばらくすると周囲を小高い山並に囲まれた羊の放牧地が広がり、5~6分で行き止まりとなります。 イギリス_カンブリア州_ボローデル_セスウエイト(SEATHWAITE)、その山並のグレイノッツ(GREY KNOTTS)から下降した谷沿い一帯、そこが鉛筆用黒鉛出現の大地です。 今は、トレッキングで鉱山跡を巡ることがことが可能な様にルートが整備されていて、この地域を含めた広域の湖水地域がレイクディストリクト国立公園(LAKE DISTRICT NATIONAL PARK)に指定されており、トレッキング、キャンプ、コテージステイ、湖畔のホテルステイなど人気のある観光地です。道沿いに車を気ままに停めて、トレッキングをする、そんなスタイルです。黒鉛鉱山ではありませんが、シートラー(SEATOLLER)からB5289道を西方向に進んだところにあるホニスター(HONISTER)には見学コースのあるスレート鉱山があります。 湖と河川の多いこの一帯は古くから観光地であった様で、1830年イギリスで発行された『 A concise description of the English lakes and adjacent mountains 』には、見所や楽しみ方などが紹介されており、今で言う観光ガイドブック風で、その最後のページに、ボローデルの黒鉛鉱山も出てきます。 セスウエイト(SEATHWAITE)から13kmほど北に位置するケスウイック(KESWICK)に、1832年にイギリス初の鉛筆工場が誕生し、その後鉛筆の町として有名になりますが、地場産業ということで採掘された黒鉛の塊がストレートにこのケスウイック(KESWICK)に運ばれたと思っていたら、月に一度ロンドンで開かれる市で購入するという仕組みだったらしく、何とも複雑な、地場産業振興などとは程遠い話です。 1851年のケスウイック(KESWICK)の記録では、鉛筆工場が4社となっていますが、1832年に創業した鉛筆工場は、経営者が転々としたのち、1916年カンバーランド鉛筆会社(Cumberland Penci