投稿

3月, 2015の投稿を表示しています

米本久美子の手仕事展 / 西川古柳(人形浄瑠璃)×美炎(馬頭琴)公演

イメージ
☆☆☆ 『米本久美子の手仕事展』 ☆☆☆ 絵本挿絵作家米本久美子さんの『米本久美子の手仕事展』が開かれます。アクリル画・ガラス絵・コラージュ・ポストカード等々。 =会期=  2015年4月1日(水)~12日(日) =場所=  cafe Stay Happy   東京都世田谷区下北沢2-29-14-2F TEL03-3410-5959、月~土曜日13:00-24:00(日曜日-22:00)、定休日:火曜日・第2月曜日    http://cafestayhappy.com/    https://www.facebook.com/CafeStayHappy =オープニングパーティー= 4月4日土曜日17:00~、馬頭琴奏者・美炎(Miho)さんのライブ=ホワイトバファローの伝説=要予約 ※ 美炎さんinfo: 役所広司主演映画『13人の刺客』音楽やセガの『THE WORLD OF THREE KINGDOMS』のゲーム音楽に馬頭琴で参加。NHK交響楽団の弦楽器奏者とも数多く共演するなど、クラッシック・ポピュラー・世界の民族楽器等ジャンルを超えて共演している。    https://ja-jp.facebook.com/batohkin.miho    http://miho-batokin.com/ ☆☆☆ 《スーホの白い馬》 西川古柳(人形浄瑠璃・八王子車人形)x美炎(馬頭琴)×米本久美子(描下ろしイラスト映像)のコラボ公演 ☆☆☆ =会期= 2015年5月23日(土)14:00 =場所= 君津市民文化ホール中ホール  千葉県君津市三直622番地 TEL.0439-55-3300    http://www.kimibun.jp/ 米本さんの『米本久美子の手仕事展』用の額装打合せの折に、公演用の背景イラスト映像の試写が済んだという話をお聞きして、どんなものが出来たのだろうと気になっていたところ、美炎(Miho)さんのblogに載ってました。 ⇒ http://miho-batokin.com/miho-blog/1087/

アクロポリスのパルテノン神殿(ギリシャ美術)

イメージ
ギリシャのアテネにあるパルテノン神殿はその2000数百年の歴史の中で、戦争や破壊や略奪、さらに不十分な補修や大気汚染などによるその損傷は少なくない状態のようですが、現在大がかりな修復作業が進んでいます。 前回のブログで触れましたが、前1100年頃から始まるドリス族のギリシャ本土への侵攻は、それまでの文化に壊滅的な打撃を与え、先住ギリシャ人の多くはエーゲ海対岸のイオニア地域に移ったと言われ、東西ギリシャ文化圏に分かれます。以降300年程の間、ギリシャ本土は美術的文化不毛地帯と化すのですが、東ギリシャ文化圏に触発されながら、前800年頃から前代のエーゲ海系文化とは異質の新生のギリシャ美術が見られるようになります。 西文化圏はドリス式、東文化圏はイオニア式と言われる特徴を持ち、時代が進むに連れてそれらが融合されながら発展して行きます。 パルテノン神殿はそのドリス式とイオニア式様式を融合させた新しいタイプの神殿で、柱はドリス式様式であるものの、ドリス式の場合正面の柱は通常6本であるところがイオニア式の8本となっており、また、イオニア式建築独自のフリーズ彫刻も内部に施されています。 パルテノン神殿を間近に見ることの出来るアクロポリスミュージアム(=新アクロポリスミュージアム、2009年オープン)には、パルテノン神殿を始めギリシャ美術の様々な時代の作品が保存されています。 以下ビデオ映像をお楽しみください。 ミュージアムショートヴィジット    ©TheAcropolisMuseum パルテノン神殿彫像のミュージアムへの移動    ©TheAcropolisMuseum ミュージアムのアルカイック時代フロアー階上でのミュージカルイヴニング   ©TheAcropolisMuseum

ルーブル美術館「サモトラケのニケ」(ギリシャ美術)

イメージ
©Musee du Louvre / Daniel Lebee et Carine Deambrosis ※この写真は修復前の映像です。 フランスのルーブル美術館で、「サモトラケのニケ」の修復と設置場所であるダリュの大階段の改修が完了し、一般公開が始まりました。     ※⇒ ルーブル美術館公開の修復関連映像 日本にもその実物大レプリカは複数あるとはいえ、一般的には目にすることはまずないものです。 昨年(2014年)末、東京汐留の日本テレビ前に修復完成記念のレプリカが出現、これはなかなかと疑似体験が出来そうでした。 日本テレビはルーブル美術館賛助企業になっているので、この流れでルーブルの収蔵品が定期的に日本で紹介されるプロジェクトが始まっています。 西洋の美術の流れの中では、歴史的変革の折にたびたび回顧指向が現れ、それがローマ帝国さらにその源泉のギリシャ美術で、フランスの凱旋門はローマ風の模倣であるし、またイタリアルネサンスの拠り所はローマ、ギリシャ美術です。 ギリシャ美術が歴史の変遷の中でヨーロッパ全土へ波及したと見れば、ヨーロッパ美術文化の始まりはギリシャ美術であるということになります。 日本で「ギリシャ美術」といった場合、漠然と一般的に知られているのは、アテネの「パルテノン神殿」とか、現在ルーブル美術館に展示されている「ミロのヴィーナス」(メロス島のアフロディテ)とか、今回知名度の上がった「サモトラケのニケ」あたりであろうと思いますが、「パルテノン神殿」は前447~前432年の建築、また「ミロのヴィーナス」は前300~前100年、「サモトラケのニケ」は前190年頃のもので、ギリシャ美術の中期以降、彫像だけなら後期に当たります。 後期の前330年~前30年はヘレニスティック時代と呼ばれますが、表現の主体が神話世界の神々の宗教的尊厳さや崇高さから離れ、現実の人間の優美さや感情に移行した時代で、「ミロのヴィーナス」はその過度期とも見ることができますし、勝利の女神「サモトラケのニケ」の喜びの感情に溢れ強く羽ばたこうとする肉体の表現は、その傾向が強く現れていると言えそうです。 「ギリシャ美術」と言われるものは、紀元前800年頃から紀元前30年ごろまでの実に800年もの長い間に培われてきたものです。 エーゲ海一帯は、紀元前3000年頃のエジプト、メソポタミア文明の発達に伴

絵具の今昔_2015年春

絵具に使われる顔料、顔料というのは微粒の着色材料のことなのですが、近頃では円安やらヨーロッパメーカーの生産事情やらで、その価格の高騰が顕著のようで、絵具メーカーとしての選択肢は、採算が合うように価格を改定するか、あるいは価格改定しても高価に成り過ぎて売れないならば廃番とするか、ということになります。 昨年2014年末ホルベイン工業の専門家向けグレードの絵具で大幅な価格改定があったものは緑系の「ビリジャン」と赤系の「バーミリオン」で、ともに伝統的に使われてきた色味です。 絵を描くための色材の歴史は、紀元前の遙か古代に始まっています。 紀元前2万年頃は、黒色は燃えかすの炭、また有色のものとしては特別な技術がなくても採取でき得る地中の土系顔料の白亜・緑土・オーカー・アンバーというものでした。 紀元前2000~1000年頃の青銅器時代は、新たに鉱物系顔料の辰砂(赤系)・けい冠石(オレンジ系)・アズライト(青系)・オービメント(黄系)・マラカイト(緑系)、また人造無機顔料として現代でもお馴染みの鉛白が登場し、さらにインジゴ・エゾバイ貝から作られるチリアンパープル(古代紫)・銅板を腐食させて作られるベルデグリ(緑系)も使われたと言われます。 13~15世紀は、ガラス産業や染色産業の発達に伴って色数が増えるとともに、技術の進展で天然辰砂の粉砕物より鮮やかなバーミリオンやウルトラマリンが登場します。 19世紀頃から化学技術の進展によって、クロム系顔料が誕生し色材は拡大し、1838年にビリジャンが登場します。 色材は不安定なものは自然淘汰され現代に到っているので、残っている色材は残るべきして残ったということが言えそうです。 ビリジャンは緑系の中で堅牢性がトップレベルで希酸・希アルカリ・光に耐久性があり、又透明性が高く、着色力に優れ、どのメディウムとの混合にも問題がなく、色味も特徴的で広く世界的に受け入れられた顔料です。 バーミリオンは古くは天然の辰砂を粉砕した物が使われ、ポンペイやローマの壁画にも認められていますが、14世紀前後には人工的に作られるようになったようで、天然辰砂と人工バーミリオンは化学的物理的に同一のもので、15世紀のイタリアの画家達が使用したのは人工のバーミリオンであったと言われ、以来西洋中世時代には比類のない鮮やかな朱色として青や緑と対比するように使われています。