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ボストン美術館「華麗なるジャポニスム展」

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ボストン美術館--印象派を魅了した日本の美--「華麗なるジャポニスム展」が2014年6月28日から世田谷美術館(東京)で始まります。東京、京都、名古屋巡回です。 東京展 世田谷美術館(2014/6/28--9/15) 京都展 京都市立美術館(2014/9/30--11/30) 名古屋 名古屋ボストン美術館(2015/1/2--5/10) クロード・モネの「ラ・ジャポネーズ」(左写真)修復後世界発公開! 印象派に影響を与えた日本美術と印象派作品の対比展示! など見どころありそうです。 「ラ・ジャポネーズ」は、1876年春の第2回印象派展に出品された作品で、外光派の風景画家として知られるモネですが、人物画も手掛けていて、日本趣味のこの作品のモデルは夫人のカミーユ・モネです。油彩画で、サイズが231.8x142.3cmの大作です。 日本公開に合わせて、ボストン美術館では1年前から修復に取り掛かっており、その修復についての情報が発信されています。 ---●修復は1972年に1度行われた●1972年の修復の際に除去されたはずの古い天然樹脂が赤い絵具部分の大半で除去しきれずに残っていた●1972年の修復で生地の補強のためにワックス裏打ちが行われていて、そのワックスが絵具の亀裂部分に表出 し、結果的に霧ががかったような不鮮明な画面になっている●部分的に絵具層の剥離が見られるが深刻な状態ではない---というのが概要です。1980年代以降、ワックス裏打ちについてはいろいろな検証が行われるようになりましたが、修復手法は日進月歩です。 日本趣味や日本ブームとジャポニスムとはイコールではなくて、ジャポニスムを美術的な潮流として捕える場合は、、日本美術の実質的な影響は画面構成・色彩構成などに及ぶものです。展示される同時代の作品を対比してご覧になると解かりやすいかも知れません。

みんなの記念日

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入園や入学といった行事も一段落した頃ですが、私の住んでいる都市では毎年この頃に、金婚式を迎えるご夫婦を祝う行事もあったりして、日々それぞれが各々の記念日、“みんなの記念日”なのです。 今やデジタルの時代なので、記念写真をデジカメやスマホでポンポン撮って、沢山撮れるので撮ったきりで見ない写真もあるかも知れませんが、一方、デジタル時代だから管理も楽だし、自分で大きくも小さくもプリントできて楽しみ方の選択肢が増えているのかも知れません。 デジタルデータは媒体の破損や技術進歩による媒体の陳腐化があって、データはあるけど呼び出せないという危険性と背中合わせで、外付けのハードディスクなども10年も経つと、新しいOSでドライバーが用意されていないということもあるので、くれぐれもご注意ください。 長い目で見れば、とりあえずこれはというものはプリントアウトしておく、というのがお勧めです。 フィルム時代のポジの整理をしていると、20年程前、毛利衛さんがシャトル搭乗した少し後の頃だったと思いますが、スペースシャトルを見学した時のポジが出てきました。もちろん当時宇宙へ飛んでいた機体ではなく実物大の見学用機体で、内部へも入れてくれました。スペースシャトルとの交信でテレビに映るワーキングルームは3畳ほどの広さで、実質唯一の居住空間でその上が操縦席という構造なのだそうで、トイレや眠るスペースはその端っこの壁側の小さなスペースにありましたが、この居住空間で国も異なる何人ものクルーが何日も一緒に過ごすとなると、これは何かと大変だろうというのが印象でした。その部屋の後方すぐが宇宙へ様々な資材を運ぶための貨物室になっていて、マニピュレータを操作するステップに立って開いた貨物室の空を見上げながら、宇宙空間の中でこうやって開いているのか、と感慨にふけったものです。機体の下に立つと相当な大きさで、飛行のたびに耐熱タイルを1枚1枚メンテナンスするとなると、いやいやこれは半端ではないぞと思った次第です。 ディスカバリー最後の飛行が2011年2月24日、日本人クルーを多く運んだエンデバー最後の飛行が同年5月16日、アトランティス最後のそして同時にスペースシャトル最後の飛行が同年7月28日。3年前の今頃は国内大変な状況でしたが、一方ではスペースシャトル退役の年だったのです。 スペースシャトルの飛行可能な機体は6機製造

今年も元気な「Museum Start あいうえの」

子供向けの色材とか用具というものを眺めた時、ヨーロッパの物は絵画的で日本の物は筆記文具的、というのが私のざっくりとした印象です。どちらの品質がどうだという問題ではなく、ヨーロッパ製の方が楽しそうで色彩豊かで子供目線で、この差はどこから来るのだろうと思うと、文化的土壌の差というか文化度の厚みの差というか他に言い様が見つかりません。 子供たちを対象とした美術館や博物館の美術展特別プログラムとか教育イベントとかその類の催し物は各地の美術館で随時行われていて、特に5月の「子供の日」に合わせてのイベントは大抵の美術館の恒例行事ですが、その中身は絵画的であったり筆記文具的であったりと様々なのでしょうが、大切なことはそうした場が提供されるということだろうと思います。 東京の上野公園の広範囲な一帯は、日本を代表する様々な文化教育施設が連なっている地域で、日本の文化文物が集積されているとともに、世界から様々な作品が絶え間なく集まる場所で、施設が連なると結果的にその集積が新しい価値を生み出します。 この文化の集積地をフィールドとして展開されているのが、2012年から実施されている「Museum Start あいうえの」です。東京都美術館と東京藝術大学が推進役となって、ミュージアム、大学、行政、市民が手を携えて、新しい学びの機会の創出を目指して、上野公園一帯の9つの文化教育施設(上野の森美術館、恩賜上野動物園、国立科学博物館、国立国会図書館国際子ども図書館、国立西洋美術館、東京国立博物館、東京文化会館、東京都美術館、東京藝術大学)が連携し、子供たちの“ミュージアム・デビュー”を応援するとともに、子供と大人が学びあえる環境を創造する「ラーニング・デザイン・プロジェクト」です。 今年2014年度も実施されていますが、これに参加できるのは、実際問題として物理的に関東圏の子供達になってしまいますが、夏休みなどで東京に滞在できるのであれば参加できなくもない、という感じです。  ⇒ 「Museum Start あいうえの」