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9月, 2014の投稿を表示しています

アール・デコ_東京都庭園美術館リニューアルオープン

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東京都庭園美術館が2014年11月22日、リニューアルオープンします。フランスのアール・デコ様式を取り入れた旧朝香宮邸の1933年創建当時に近いスタイルに改修され、また別棟で展示空間も新設されました。アール・デコに興味のある方はお出かけ下さい。 http://www.teien-art-museum.ne.jp/ ヨーロッパでの産業革命以降の近代化は、社会構造や生活様式に大きな変動をもたらし、近代工業の成果である鉄・コンクリート・ガラスの技術が取り入れられて、伝統的構造物から脱却した新しい構造物が造られるようになります。 無機質な近代化への反動的とも言える自然主義的趣向やジャポニズム的な流行、また市民革命以降の浪漫主義的趣向を背景に、19世紀末~1910年頃、自然の植物の流動を基本的なモチーフとし、機能や合理性を必然としない幻想美的な建築・工芸趣向が流行ります。これがフランスの「アール・ヌーヴォー」です。この流れは、他のヨーロッパの国々で同時進行的に起こり、それぞれのお国柄を反映しながら発展し呼び名も国によって様々です。 「アール・ヌーヴォー」は比較的短命に終わります。それ以前の伝統的様式に対しては新たなアプローチではあっても、構造上の必然から生まれた形状ではないため機能性という切り口では劣ります。近代化の中で、それに対応した機能的な建造物への要求が強くなってゆきます。「アール・ヌーヴォー」の様な一品モノ的な形状ではなく、工業化が容易な形状が求められ、また装飾柄もパターン化の容易な幾何学文様などが重宝されるようになります。この趣向が「アール・デコ」で、年代的には1925年頃~です。 さらに時代が進むと、「意匠よりも構造」・「装飾よりも機能」が優先される方向がより強くなってゆき、「アール・ヌーヴォー」や「アール・デコ」は退廃的装飾趣味と見られるようになります。 退廃的なのか優美なのか、時代が異なれば評価も異なります。

円城寺天井画復元完成

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岡山県北に位置する円城寺の本堂外陣天井画の復元が完成し、落慶法要が行われます。これにあわせ、内陣の江戸末期に描かれた天井画も公開されます。  *2014年10月13日(月)10:00~  *岡山県加賀郡吉備中央町円城742 TEL:0867-34-0004    *アクセス  http://www.enjouji.net/access.html 開山1300年記念事業のひとつとして、痛みが激しかった外陣の天井画161枚が模写復元されました。 復元された天井画は設置に先立ち、昨年の2013年12月10日-15日の期間、岡山県天神山文化プラザにて展示されました。   http://www.enjouji.net/2013tenjogaten.html   

テンペラ画_「ウフィツィ美術館展」

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《ウフィツィ美術館展―黄金のルネサンス ボッティチェッリからブロンヅィーノまで―》が開催されます。2014年10月11日(土)~12月14日(日)、東京都美術館。卓越した本物のテンペラ画、フレスコ画を見る絶好の機会です。 イタリア・ルネサンスの中心地フィレンチェで活躍したサンドロ・ボッティチェッリの初期から晩年の数々の作品、ブロンヅィーノやアンドレア・デル・サルトなどの作品80点余の展覧です。ボッティチェッリの主要展覧作品:「パラスとケンタウロス」(1480-85年 テンペラ、カンヴァス)、*「聖母子」(1465年頃 テンペラ、板)、*「海の聖母」(1475-80年 テンペラ、板)、*「東方三博士の礼拝」(1490-1500年 テンペラ、板)、*「聖母子と幼児聖ヨハネ」(1495-1500年 テンペラ、カンヴァス)。 「テンペラ」という言葉は一般的にはなじみが薄いようで、どんなものなのかとよくご質問を受けますが、材料やら技法やらをお話しても、なるほどとご納得いただくのはなかなかと難しい。絵画技法の違いというのはテンペラに限らず一般的にはわかりづらいものです。 ある展覧会を見ている時、年配の方が会場スタッフに『油絵と日本画とはどう違うんですか』と質問をされていて、表現テイストが近似しているものもあるので、なるほどこれはごもっともな疑問だと思いながら聞いていると、『布に描くのが油絵で、紙に描くのが日本画です』というスタッフの回答に、質問された方は至極納得されたご様子で、答えの是非はともかくとして、一般的なイメージというのはそういうものなのかも知れない、と私は感心してしまいました。 テンペラ画とはどんなものか知ろうとすれば、本物のテンペラ画を見ることに勝るものはありません。 テンペラの材料を使って描けばテンペラ画なのかというと、いやいやこれは世界の違う話なのです。 作家の名前やテンペラという言葉は知らなくてもこの絵はご覧になったことがあるのではないかと思います。 Sandro Botticelli - La nascita di Venere - Google Art Project 「ヴィーナスの誕生」というテンペラ画作品です。美術の教科書などでは小さく掲載されますが、現物は横が3m近い大画面で、この作品を描いた画家が今回の「ウフィツィ美術館展」で様々な作品が展覧される

スペインのタイル

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今回の額装ピックアップはスペイン旅行お土産のタイルの額装です。タイルをそれぞれ組み合わせ、額縁毎に装飾柄部分の見え方に差が出ないように位置を調整。このタイルは艶やかな質感があって良い感じです。

イコン画

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「イコン画」を額装しました。イコン画の額装ご依頼は種々ありますが、掛ける場所、図柄によってご注文者のご要望は様々。今回は控えめな色味ということで、掛ける場所のスペースを考慮して、植物装飾のボリューム感のある額装となりました。ビザンチン美術の中で発展した「イコン」なので、その源流ギリシャで好まれた植物装飾は伝統的な趣です。描画は主にエッグテンペラ。