テンペラ画_「ウフィツィ美術館展」

《ウフィツィ美術館展―黄金のルネサンス ボッティチェッリからブロンヅィーノまで―》が開催されます。2014年10月11日(土)~12月14日(日)、東京都美術館。卓越した本物のテンペラ画、フレスコ画を見る絶好の機会です。

イタリア・ルネサンスの中心地フィレンチェで活躍したサンドロ・ボッティチェッリの初期から晩年の数々の作品、ブロンヅィーノやアンドレア・デル・サルトなどの作品80点余の展覧です。ボッティチェッリの主要展覧作品:「パラスとケンタウロス」(1480-85年 テンペラ、カンヴァス)、*「聖母子」(1465年頃 テンペラ、板)、*「海の聖母」(1475-80年 テンペラ、板)、*「東方三博士の礼拝」(1490-1500年 テンペラ、板)、*「聖母子と幼児聖ヨハネ」(1495-1500年 テンペラ、カンヴァス)。

「テンペラ」という言葉は一般的にはなじみが薄いようで、どんなものなのかとよくご質問を受けますが、材料やら技法やらをお話しても、なるほどとご納得いただくのはなかなかと難しい。絵画技法の違いというのはテンペラに限らず一般的にはわかりづらいものです。

ある展覧会を見ている時、年配の方が会場スタッフに『油絵と日本画とはどう違うんですか』と質問をされていて、表現テイストが近似しているものもあるので、なるほどこれはごもっともな疑問だと思いながら聞いていると、『布に描くのが油絵で、紙に描くのが日本画です』というスタッフの回答に、質問された方は至極納得されたご様子で、答えの是非はともかくとして、一般的なイメージというのはそういうものなのかも知れない、と私は感心してしまいました。

テンペラ画とはどんなものか知ろうとすれば、本物のテンペラ画を見ることに勝るものはありません。
テンペラの材料を使って描けばテンペラ画なのかというと、いやいやこれは世界の違う話なのです。

作家の名前やテンペラという言葉は知らなくてもこの絵はご覧になったことがあるのではないかと思います。


Sandro Botticelli - La nascita di Venere - Google Art Project


「ヴィーナスの誕生」というテンペラ画作品です。美術の教科書などでは小さく掲載されますが、現物は横が3m近い大画面で、この作品を描いた画家が今回の「ウフィツィ美術館展」で様々な作品が展覧されるサンドロ・ボッティチェッリです。

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