今年も元気な「Museum Start あいうえの」

子供向けの色材とか用具というものを眺めた時、ヨーロッパの物は絵画的で日本の物は筆記文具的、というのが私のざっくりとした印象です。どちらの品質がどうだという問題ではなく、ヨーロッパ製の方が楽しそうで色彩豊かで子供目線で、この差はどこから来るのだろうと思うと、文化的土壌の差というか文化度の厚みの差というか他に言い様が見つかりません。
子供たちを対象とした美術館や博物館の美術展特別プログラムとか教育イベントとかその類の催し物は各地の美術館で随時行われていて、特に5月の「子供の日」に合わせてのイベントは大抵の美術館の恒例行事ですが、その中身は絵画的であったり筆記文具的であったりと様々なのでしょうが、大切なことはそうした場が提供されるということだろうと思います。

東京の上野公園の広範囲な一帯は、日本を代表する様々な文化教育施設が連なっている地域で、日本の文化文物が集積されているとともに、世界から様々な作品が絶え間なく集まる場所で、施設が連なると結果的にその集積が新しい価値を生み出します。

この文化の集積地をフィールドとして展開されているのが、2012年から実施されている「Museum Start あいうえの」です。東京都美術館と東京藝術大学が推進役となって、ミュージアム、大学、行政、市民が手を携えて、新しい学びの機会の創出を目指して、上野公園一帯の9つの文化教育施設(上野の森美術館、恩賜上野動物園、国立科学博物館、国立国会図書館国際子ども図書館、国立西洋美術館、東京国立博物館、東京文化会館、東京都美術館、東京藝術大学)が連携し、子供たちの“ミュージアム・デビュー”を応援するとともに、子供と大人が学びあえる環境を創造する「ラーニング・デザイン・プロジェクト」です。
今年2014年度も実施されていますが、これに参加できるのは、実際問題として物理的に関東圏の子供達になってしまいますが、夏休みなどで東京に滞在できるのであれば参加できなくもない、という感じです。



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