アクロポリスのパルテノン神殿(ギリシャ美術)

ギリシャのアテネにあるパルテノン神殿はその2000数百年の歴史の中で、戦争や破壊や略奪、さらに不十分な補修や大気汚染などによるその損傷は少なくない状態のようですが、現在大がかりな修復作業が進んでいます。
前回のブログで触れましたが、前1100年頃から始まるドリス族のギリシャ本土への侵攻は、それまでの文化に壊滅的な打撃を与え、先住ギリシャ人の多くはエーゲ海対岸のイオニア地域に移ったと言われ、東西ギリシャ文化圏に分かれます。以降300年程の間、ギリシャ本土は美術的文化不毛地帯と化すのですが、東ギリシャ文化圏に触発されながら、前800年頃から前代のエーゲ海系文化とは異質の新生のギリシャ美術が見られるようになります。
西文化圏はドリス式、東文化圏はイオニア式と言われる特徴を持ち、時代が進むに連れてそれらが融合されながら発展して行きます。
パルテノン神殿はそのドリス式とイオニア式様式を融合させた新しいタイプの神殿で、柱はドリス式様式であるものの、ドリス式の場合正面の柱は通常6本であるところがイオニア式の8本となっており、また、イオニア式建築独自のフリーズ彫刻も内部に施されています。
パルテノン神殿を間近に見ることの出来るアクロポリスミュージアム(=新アクロポリスミュージアム、2009年オープン)には、パルテノン神殿を始めギリシャ美術の様々な時代の作品が保存されています。

以下ビデオ映像をお楽しみください。

ミュージアムショートヴィジット   ©TheAcropolisMuseum



パルテノン神殿彫像のミュージアムへの移動   ©TheAcropolisMuseum



ミュージアムのアルカイック時代フロアー階上でのミュージカルイヴニング   ©TheAcropolisMuseum

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