金属類の錆対策

金属錆や紙類などの変質には様々な要因が関与していますが、空気中の公害ガスによる化学反応はその要因のひとつです。化学反応のスピードは温度の上昇によって促進されますし、公害物質は気象上世界規模で影響が出るので、その対策となると対処療法ということになってなかなか厄介です。

紙作品などの額装でNOxなどの公害ガス対策が必要な場合には、ガスの吸着能力のある台紙が選択されます。多孔質な素材なので、理論的には飽和や吸着した物質の再放出がありません。

フィルム状のものまた袋状のものとなると『コロージョンインターセプトフィルムや保存袋』があります。

CORROSION INTERCEPT BAG 4X6"

インターセプトテクノロジーは,米国東海岸ニューヨークの「自由の女神像」修復保全プロジェクトで始まり、ルーセント・テクノロジーのベル研究所で開発された革新的特許技術で、銅、銀、真鍮、ブロンズ、錫、鉛、マグネシウム、鉄、非鉄金属の錆を防いで保護します。金属の他にも、CDや紙焼き写真、フィルム、布、絵画、書籍や紙を基底材とする芸術作品の保護にも有効です。
比較的新しい技術が使われた保存用品で、米国国立公文書館、英国王立造幣局、ニューヨークグッケンハイム美術館、英国のシェフィールド博物館、NASAなどで採用されています。
半導体技術によって高反応性の銅粒子をポリエチレンフィルムのポリマー配列内に結合させたこの素材は、その表面に触れる、又はその内部を通過しようとするあらゆる腐食性ガス(硫化水素、亜硫酸ガス、塩素水素など)や真菌、バクテリアなどに反応して、それを中和します。ガルバニ腐食(異種金属・合金の接触による腐食)にも有効です。
安定性の高い素材で、有害ガスを発生せず、水分や湿度、温度によって変質することがありません。また、飽和状態になると黒く変色し、取替時期を示します。1ミル(1000分の1インチ=約0.0254mm)厚で、およそ10年間効果を維持します。PAT合格。

錆の発生には様々な要因が関与しているので防錆は容易ではありませんが、インターセプトテクノロジーはより有効な選択肢のひとつと言えそうです。

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