プラド美術館展 | 2015/10/10-2016/1/31 | 三菱一号館美術館


プラド美術館のコレクションは、15世紀以降の歴代のスペイン王宮によって蒐集された作品群を主体とするものです。

15世紀のルネサンス以降、ヨーロッパの美術の流れを極めて大雑把に分けると、キリスト教新教を奉じた地域では、自由を尊ぶ精神の下で自然科学や活力ある新しい絵画が育ち、一方キリスト教旧教を奉じた地域では、専制的な王権と旧教が結び付いて権力を誇る宮廷趣味の絵画が育ちます。前者の国がオランダであり、後者の国がイタリア・スペイン・南ネーデルランド(スペイン統治下にあった現在のベルギー)・フランスで、古典を尊ぶ「神話画」や権威誇示の歴史的出来事を描いた「歴史画」が上位に位置する崇高な絵画という風潮が必然的に育ちます。

こうした意味で、プラド美術館のコレクションからは宮廷趣味の流れを垣間見ることができそうで、宮廷趣味の権威誇示となるとあながち見上げるような大きな作品になってしまうのですが、今回の展覧作品は小振りなものが選ばれているので、通常目線でゆったりと鑑賞できるのではないかと思います。


三菱一号館美術館は東京駅直ぐの丸の内界隈にあって、今回の美術展は開館5周年記念展.。

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