文化創造の都市

文化の創造や発信が地域の人や生活を豊かにし、さらに世界に注目されることによって人や物の交流が世界規模で活発化するとすれば、文化創造の推進は豊かな地域環境創りということだけに留まらず、経済を牽引し都市の国際化につながる大きな経済効果を秘めていると言えます。
来る東京オリンピック開催に合わせ、東京の様々な文化をアピールしようとするプロジェクトがいろいろ検討させているようですが、世界的なイベントであるがゆえに、さまざまな波及効果が期待されます。

さて、カテゴリーを「文化芸術」としたとき、主要都市の行政の取組体制はどうなっているのか、重要なのは組織名ではなく実際の施策の中身なのですが、管轄部門名称は物事への取組の姿勢としての切り口なので、政令指定都市20市と東京都について見てみました。

札幌市:観光文化局>文化部
仙台市:市民局>文化スポーツ部>文化振興課
さいたま市:市民・スポーツ文化局>スポーツ文化部>文化振興課
千葉市:市民局>生活文化スポーツ部>文化振興課
横浜市:文化観光局>
川崎市:市民・こども局>市民文化室
相模原市:市民局>文化振興課
新潟市:文化スポーツ部>文化政策課
静岡市:生活文化局>文化スポーツ部>文化振興係
浜松市:市民部>文化生活課
名古屋市:市民経済局>文化観光部>文化振興室
京都市:文化市民局>文化芸術都市推進室>文化芸術企画課
大阪市:市民局>
堺市:文化観光局>文化部>文化課
神戸市:市民参画推進局>文化交流部
岡山市:市民局>文化振興課
広島市:市民局
北九州市:市民文化スポーツ局>文化振興課
福岡市:経済観光文化局>文化振興部>文化振興課
熊本市:観光文化交流局>文化振興課
東京都:生活文化局>文化振興部

あくまでも、「名称のみから受ける印象」という前提で話を進めます。
・京都市の「文化芸術都市推進室」という切り口は、『PARASOPHIA:京都国際現代芸術祭2015』を計画している京都らしい先端的な切り口です。景観資産豊富な京都ですが、『PARASOPHIA』という言葉には京都は消費の都市ではなく知や文化の創造の場でありその装置なのだ、という思いがこめられているそうです。
・東京都は「生活文化局>文化振興部」とありふれていますが、東京文化発信のプロジェクトは、能動的多角的実質的に高いレベルで進んでいます。
・「観光・文化」という切り口は、札幌市とか横浜市に見られますが、言葉からは真正面から文化を創造するというより観光イベント的取組の印象を受けてしまいます。札幌市は今年の夏『札幌国際芸術祭2014;2014/8/1>11/3』が計画されていて、ビッグネームをディレクターに招いていますが、箱ものにならない実りあるものを期待したいところです。
・「スポーツ・文化」という切り口は、ゆとり時間の余暇とか趣味とかのレジャー的取組の印象を受けてしまいます。

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