鉛筆のある風景_養命酒とマルカン酢

写真の鉛筆は昭和35年前後のものと思いますが、商品を買ったときにおまけで付いてくる、今流に言うとノベルティグッズです。
筆記具ノベルティーなら、今の時代だとカラフルなボールペンというあたりに落ち着きそうですが、こうしてみると当時は、鉛筆が一般筆記用具としてのトップの座を担っていたということを改めて思います。

テレビはオール生放送で、昭和36年(1961年)にはNHKの「夢で逢いましょう」という番組で坂本九の『上を向いて歩こう』が初登場した、という時代です。「ボールペン」というものが世の中に出始めた頃です。

手前の鉛筆は養命酒製造株式会社のもので、「養命酒飲んで輝く不老長寿 養命酒製造株式会社」と印字されてます。コマーシャルは概ね時代のキーワードに呼応した内容になるので、『不老長寿』という言葉は、なんとも神秘的な言い回しです。この会社の最近のTVコマーシャルを改めてざっと見てみると、キーワードは「疲れ」・「体調不良」といったもののようで、コマーシャルは健康指向型になっていて、時代の移り変わりを感じます。
養命酒は400年の歴史があるそうで、その歴史の中でどのように時代に呼応して来たのか興味が湧くところです。 http://www.yomeishu.co.jp/health/beginning/index.html 

奥の鉛筆はマルカン酢のもので、「丸勘印、マルカン酢の文字、その下側には瓶の絵柄」が印字されていて、反対側面(写真なし)には、「リンゴ酢・サラダ油・ぽん酢」とあります。鉛筆軸は六角形ではなく丸形です。「丸勘印」というのは、江戸時代の当主であった酢屋勘三郎の「勘」を崩した丸印で、今でいうブランドマークです。酢屋勘三郎は他の酢屋との差別化のために自分の店の樽にこの丸勘印を付けたところ、他の店も真似をして同じ丸勘印を付けたそうで、なんとも江戸時代らしい無法な話です。
マルカン酢は360年の歴史があるそうです。 http://www.marukan.com/history/index.html

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