トレド&スペインの文化

エルグレコ400年祭の『エルグレコ2014』がスペインのトレドを中心に今年2014年1月にスタートして、多彩なプログラムが繰り広げられ、11月現在も進行中ですが、これは日本で見られるような単なるグレコ作品の大規模な絵画展覧会というものではなく、グレコ作品をはぐくんだトレドの歴史や文化、そしてそこから続く現代のトレド文化という視点のなかで、グレコの仕事にスポットが当てられていて、絵画に留まらす音楽や舞台、工芸、学術研究など多彩なプログラムで構成され、グレコ作品の修復のみならずトレド大聖堂聖具室の改修なども行われるという大規模なものです。

トレドの歴史は古く、旧市街地の地下にはローマ時代はもとより青銅器時代の遺跡があって、レストランの地下の壁が遺跡の壁ということもあるほどで、ユダヤ教、回教、キリスト教の文化が共存してきた歴史の中で、伝統を守りながら独自の文化が創られて来たと言えそうです。

グレコの仕事が収められている教会の建物やその祭壇、あるいは同時代の優れた職人達の仕事、グレコの時代の文化遺産など、トレドの文化や歴史を知ることは、グレコ作品の理解の幅を広げます。

トレドの文化風土から持ち出され、例えば日本のグレコ展に展示されるその作品は、それはそれで素晴らしいのですけれど、例えば、先頃日本で公開された「無原罪のお宿り」は、見上げるほどに大きくて、そのユラユラと縦長に引きのばされた描写はルネサンス絵画に見られる誇張表現のようにも言われますが、炎を高貴なものとしてとらえる当時の宗教観の中で、ろうそくの炎のように揺らぎながら天空へ伸びる様は、高くそびえる教会建築の中にあってこそふさわしく、見上げるほどに大きいのではなくて、見上げるほどに天空へ伸びて尊いのです。

生の文化風土を体感することは、バーチャル的な下手な美術論や技術論に勝ります。

ということで、今回はトレドとスペインの文化のご紹介です。


=/= 「トレドは素晴らしい」(2分40秒)トレド観光局 =/=



=/= 「トレドへの鍵」(12分46秒)カスティーリャ・ラ・マンチャ州大学財団 =/=



=/= 「スペインの文化_タイムラプス」(4分28秒)by スペイン =/=



「バスでトレド観光」(2分50秒)トレド観光局



「トレドのゴールド」(3分6秒)トレド観光局



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