ルオーとフォーヴの陶磁器

ルオーとフォーヴの陶磁器」展が始まりました。〈パナソニック汐留ミュージアム、2015年4月11日~6月21日〉
マティス、ドラン、ヴラマンク、ルオーなど1905年のサロン・ド―トンヌでフォーヴィスム(野獣派)と称された画家達が、当時、陶芸職人アンドレ・メテの工房で取り組んだ絵付け陶磁器が紹介されてます。日本にはコレクションが少なく、フランスからの来日作品70余点は日本初公開、メテの作品18点は世界初公開ということで、当たり前ですがマティスの絵付けはマティスらしいし、ドランはドランらしいし、ルオーはルオーらしい。なかなかと楽しめます。
フォーヴの陶磁器作品は1907年のサロン・ド―トンヌにまとめて出品され、またルオーは1906年~13年の長期に渡り熱中したようです。



1900年頃はどんな時代であったかというと
1899年|明治32年|フランスで翌年の万国博覧会に合わせてエッフェル塔が完成
1900年|明治33年|パリ万国博覧会
1903年|明治36年|第一回サロン・ドートンヌ(フランス)
〃〃〃〃〃〃〃〃〃 ゴーギャン死去
〃〃〃〃〃〃〃〃〃 米国でライト兄弟が飛行機の有人飛行
1906年|明治39年|セザンヌ死去
1907年|明治40年|ピカソ「アヴィニヨンの娘たち」(キュビズムの萌芽)

サロン・ド―トンヌがスタートした1903年のポスターを見ると、なんとなく時代感が伝わってきます。

フォーヴィスムは「野獣派」という意味合いで、1905年のサロン・ドートンヌでのマティスをはじめとする一群の若い画家たちの強烈な色彩とタッチの作品から命名されたのですが、流れとしては、ゴーギャンやゴッホやセザンヌのマチエールや色面構成に触発され、また日本の浮世絵などからも示唆を受けながら、自然主義的描写でない個々の感覚による色彩表現を追求するというものなので、新しい流れに転換して後は、個々が自分の個性に沿って行動していて、芸術上のまとまった主張という点では、5~6年で消滅しています。

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