この写真台紙の色はホワイト系?


この古びた写真台紙、一見ホワイト系の台紙の様に見えますが、実は四角いグレーの部分が台紙の元の色で、他の部分は長年の間に色が飛んで白くなってしまい、グレーの部分はプレートが貼られていて剥がすと元の色が出てきた、という次第です。

細部を見れば退色だけでなく全体に黄変が進んでいて、黄変の状態は裏面を見ればもっとよくわかります。

この台紙は写真の業者さんからの持ち込みで、同サイズの新しい台紙のご依頼だったのですが、写真の周辺部にも黄変が進んでいたそうで、台紙を新しくするということは今後も残しておきたい写真なのでしょうから、台紙の色褪せはともかくとしても、台紙そのものの酸化が進んでいることの方がより問題で、台紙だけが原因ではないものの、中の写真が痛んでしまったというのは残念なことです。

当工房では使っていませんが、日本ではこの様な質的に長期保存に向かない台紙は現在でも流通していて、マド抜きのカット方法を見ると、概ね10~15年以上前のものという感じです。

大切な写真を額縁に入れて飾っているという方は、早速に額縁を開けてチェックされることをお勧めします。
黄変とかがひどい様であれば、劣化したものは元の状態には戻せませんが、対処によって劣化の進行を遅らせることが可能です。

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