ヨコハマトリエンナーレ2014_2014/8/1>11/3

「ヨコハマトリエンナーレ2014」が開催されます。
日程:2014年8月1日>>>11月3日; 主会場:横浜美術館、新港ピア
http://www.yokohamatriennale.jp/2014/index.html

ヨコハマトリエンナーレは2001年に始まった現代アートの国際展で、今回で5回目を迎えます。
過去4回の入場者数とチケット販売数を見てみると次の通りです。(主催者発表データより、*入場者数は延べ人数)

・2001年第1回:総入場者数35万人、有料入場者数15万人、チケット販売数17万枚
・2005年第2回:総入場者数19万人、有料入場者数16万人、チケット販売数12万枚
・2008年第3回:総入場者数55万人、有料入場者数31万人、チケット販売数9万枚
・2011年第4回:総入場者数33万人、有料入場者数30万人、チケット販売数17万枚

この数字をどう見るかなかなか難しいところですが、「総じて動員数が少ない」という印象です。
第4回より主催の主軸が横浜市に移って横浜美術館が主会場のひとつになりましたが、運営組織が大きくなればなにかと調整が大変になるものの、都市の基幹美術館のあるべき姿です。第1回のときの会場は、パシフィコ横浜と赤レンガ倉庫でしたが、パシフィコ横浜は商業見本市会場の印象があって少なからず違和感がありましたが、天井が高いので、見上げるような巨大なオブジェを展示する作家さんを前提にすると、実際問題としてここしかありません。

「現代アート」という切り口は、今や万能薬のように狭義にも広義にも極めて便利に使われていて、そのしきい値が相対的で定まらない極めて緩慢な範疇で、近年は「現代アート」の名のもと、ビエンナーレ、トリエンナーレ流行りで、「現代アート」と言ってしまえばその質を問わず何でもかんでも通ってしまうようなところがあって、動員数が多く観光事業的には成功でも中身が希薄なものが少なくありません。また、全体的な傾向として教育プログラムとか連携プログラムが盛り沢山で、展示型から参加型イベントになっていて、これは盛り上げとか観客動員数を増やすという面では必要なことですが、大切なのは中核の中身です。

国際化が進めば進むほど都市固有の文化、継続的な創造力、発信力といった真の文化力が問われます。文化は美術に限定されず広範囲に及びます。時代の変遷の中で、緩慢に広がり過ぎた「現代アート」という切り口とそれを見る側との間にある種のギャップが生じているのかも知れません。

横浜は明治文明開化の舞台でもあったし、日本・中国・韓国3カ国において選定された「東アジア文化都市」のひとつでもあるそうなので、老舗のヨコハマトリエンナーレには正常進化を期待したいところです。

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